ヘナや精油での皮膚トラブルを防ぐために私が優先していること
カルテから見えてくること
先日お越しいただいた新規のヘナのお客様。
ご予約は寝ヘナ。
いつも通り、ベッドをセッティングして、ヘナや精油類も準備OK。
時間通りお迎えしました。
まず、施術前のコンサルテーション。
シートに記入していただいたことを掘り下げていくわけですが。
結構大事なプロセスです。
なぜなら。
お客様がリラックスできるよう、安定した施術をすることは当たり前のことで。
もう1つ大事なことがあります。
事故を起こさないこと
そのために、私達セラピストはカラダの仕組みや精油、植物油のことなどを学んでいます。
その学んだことと、クライアント様の状況を結び付ける。
精油や植物油の禁忌事項であったり
カラダのこと
薬のこと
時には新月か満月かまでも
たった1枚のカルテからたくさんの情報を得て、そして考察していきます。
アレルギー体質のクライアント様
その先日のクライアント様はアレルギー体質の方でした。
アレルギーを抑えるためのお薬を医者から処方され、飲まれているとのこと。
ヘアカラー剤にかぶれた経験あり。
ヘナははじめて。
ヘナで白髪がオレンジになるのは嫌だから、インディゴを使用してもらいたい。
さて、どうしましょうか。
結論から言うと、クライアント様にはお帰りいただきました。
事故を防ぎたかったからです。
植物だから安全ではない
ヘアカラー剤による皮膚のトラブルをテレビやインターネットで見たことありませんか?
あのような結果を招きたくなかったからです。
え?ヘナでしょ?植物だからヘアカラー剤より安全でしょ?
と思いますか?
答えはNO!
植物≠安全
蕎麦を食べてアナフィラキシーショックを起こす人
漆のそばを通っただけで皮膚が痒くなる人
桃やブドウを食べて喉の奥が痒くなる人
これ、全部アレルギー反応です。
ヘナもインディゴもアレルギー反応を起こす可能性はゼロではないのです。
そう、だから慎重に。
パッチテストの重要性
お帰りいただいたクライアント様へは何もしなかったわけではありません。
何をしたかというと。
パッチテスト。
肘の内側にインディゴのペーストを塗布した状態でお帰りいただきました。
アレルギーにはⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型があります。
Ⅰ型は即時性アレルギー。
早い段階で反応が出ます。
接触性皮膚炎などに代表されるⅣ型は遅延性アレルギー。
24~48時間掛けて反応が出てきます。
この遅延性アレルギーを見落とさないためにも
パッチテストは24~48時間する必要性があるのです。
クライアント様には、その後の経過を観察していただき
問題なければ改めてご予約を入れていただくようお願いしました。
プロとして自分を守る
せっかく準備をしているわけだし
売上も無くなってしまう
せっかくお越しいただいたのに、何もせずお帰りいただく
もったいない!って思いますか?
私はそうは思いません。
やはり、事故を起こしたくないのです。
せっかくお越しいただいたのに、トラブル発生!
そんなの悲しすぎます。
事故を起こさないよう慎重になることは間違っていません。
クライアント様を守ることは当然のこと。
そして、自分自身を守ることにもなるからです。
トラブルが起き、賠償責任などを問われるということは
どのセラピストでも避けたいでしょう。
どうかな?大丈夫かな?
そんなドキドキした気持ちが少しでもあるのならば
施術をお断りすることも必要です。
それはプロとして当然のことです。
美容師の現状と私のスタンス
恐らくパッチテストをしない美容師がほとんどでしょう。
24~48時間様子を見るなんて、非現実的だからです。
ヘアカラー剤でかぶれた経験があることを美容師に伝えると、
「では地肌から少し離して塗布しますね」と言う。
ちょっと待って、ちょっと待って。
地肌から少し離して塗布したとしても、
お流しするときに頭皮に触れます。
そうしたら痒くなります。
その程度で終わればいいのですが、もっと悪い状況になる可能性もあるわけです。
クライアント様側、セラピスト側(ヘナの場合は美容師)の双方が心地よい施術を。
クライアント・ファーストは絶対。
同時に施術者自身のことも守る。
私の仕事のスタンスです。
★その後、このクライアント様からご予約をいただきました。安心してヘナを受けていただけると思います。
座ってするヘナ、ベッドの寝ヘナ
塗った状態でお帰りいただけるヘナなど
いろいろなヘナのメニューをご用意しています。